ケーススタディCASE STUDY

医師国家試験の臨床問題形式17症例で、解説があります。

CASE1貧血補正輸血後Hb予測

<症例提示>

65歳 女性 体重50㎏
主訴:労作時動悸・息切れ
既住歴・家族歴に特記事項なし

<臨床経過>

5年前に再生不良性貧血と診断され、免疫抑制療法を受けていた。
経過は良好であったが1ヶ月前頃から労作時の動悸・息切れや易疲労感を自覚するようになった。徐々に症状が増悪してきたため、外来を受診された。
血液検査でHb5.6/dL、血小板3.5万、白血球2,100であった。

<学習課題>

この症状で赤血球輸血について正しい記載はどれか?
  • ① 赤血球製剤1単位を輸血する。Hb値は、 1.2g/dL上昇する。
  • ② 赤血球製剤2単位を輸血する。Hb値は、 1.6g/dL上昇する。
  • ③ 赤血球製剤4単位を輸血する。Hb値は、 2.6g/dL上昇する。
  • ④ 赤血球輸血は行わず、経過観察。
    • 解答と解説を見る

      <学習課題>

      この症状で赤血球輸血について正しい記載はどれか?
      • ① 赤血球製剤1単位を輸血する。Hb値は、 1.2g/dL上昇する。
      • ② 赤血球製剤2単位を輸血する。Hb値は、 1.6g/dL上昇する。
      • ③ 赤血球製剤4単位を輸血する。Hb値は、 2.6g/dL上昇する。
      • ④ 赤血球輸血は行わず、経過観察。
      <解答と解説>

      解答②

      再生不良性貧血にともなう慢性的な貧血の場合は、Hb7.0g/dLを目安にして赤血球輸血を行う。ただしHb7.0/dL未満であっても輸血を必要としない場合もある。輸血の適応を決定する際には、検査値に加えて臨床症状や日常生活・社会生活の活動状況を勘案する必要がある。本症例では、Hb5.6g/dLで、労作時の動悸・息切れなどの貧血症状が増悪していることから、輸血の適応となる。
      赤血球液(RBC)の投与により改善されるHb値は、以下の計算式で求めることができる。
      予測上昇Hb値(g/dL)=投与Hb量(g)÷循環血液量(dL)
      循環血液量(dL)=0.7dL/kg×体重(kg)
      400ml由来RBC1パック(2単位)には56~60g(Hb14~15g/dL×400ml)のHb量が存在する。
      本症例では、予測上昇Hb値はRBC1単位輸血⇨0.8~0.86g/dL、RBC2単位輸血⇨1.6~1.7g/dL、RBC4単位輸血⇨3.2~3.4g/dLとなる。
      RBC2単位輸血後のHb値は、5.6+1.6~1.7=7.2~7.3g/dLとなることから、本症例における赤血球製剤の輸血量としては最も適していると考えられる。