医師国家試験の臨床問題形式17症例で、解説があります。
CASE7血小板輸血(1)
<症例提示>
29歳女性
主訴:意識障害
<臨床経過>
10日前から発熱と頭痛が続いていた。今朝から意味不明な言動があり、さらに一過性の意識消失を起こしたので、救急外来を受診。体温38.7°C、血圧 120/60mmHg、脈拍108/分・整、眼瞼結膜は貧血様、眼球結膜に軽度の黄疸 を認める。四肢に紫斑を認める。胸腹部に異常なし。項部硬直なし。頭部 CTでは異常なし。
検査所見:赤血球200万、Hb 6.5g/dL、Ht 20%、網状赤血球90‰、白血球 12,600、血小板1.5万、PT 90%、APTT 33.2秒、FDP 5 μg/ml、末梢血塗抹標 本に破砕赤血球あり、AST 140IU/L、ALT 45IU/L、LDH 2,360IU/L(基準176~353)、BUN 20mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL、CRP 1.5mg/dL。
救急医から高度の血小板減少による重篤な出血をきたす恐れがあるため、血小板輸血の方針について相談された。
<学習課題1>
この患者に対する血小板輸血についてどのように指示するか?
- ① 可及的速やかに濃厚血小板20単位を輸血する。
- ② 中枢神経症状が悪化するなら濃厚血小板10単位を輸血する。
- ③ 血小板数1万未満になるなら濃厚血小板10単位を輸血する。
- ④ 血小板輸血はしない。
- ① 可及的速やかに濃厚血小板20単位を輸血する。
- ② 中枢神経症状が悪化するなら濃厚血小板10単位を輸血する。
- ③ 血小板数1万未満になるなら濃厚血小板10単位を輸血する。
- ④ 血小板輸血はしない。
<学習課題1>
この患者に対する血小板輸血についてどのように指示するか?
<解答と解説>
解答④
本例は発熱、中枢神経症状、紫斑を認め、検査所見で、破砕赤血球を伴う溶血性貧血、血小板減少を認めることから血栓性血小板減少性紫斑症(TTP)が疑われる。TTPは血小板輸血によって症状の憎悪が見られることが多く、少なくとも血小板の予防的輸血は避けるべきであろうとされている。本例では著明な血小板減少を認めるが活動性出血はなく、予防的血小板輸血を行うべきではない。なお、確定診断にはADAMTS13活性の測定が有用であり、治療は血漿交換を行う。