ケーススタディCASE STUDY

医師国家試験の臨床問題形式17症例で、解説があります。

CASE9ALBの適正使用

<症例提示>

82歳 女性
主訴:食思不振、骨痛

<臨床経過>

4年前乳癌の根治手術を行ったが、3ヶ月前に肺転移で再発した。化学療法を行うも効果なく、癌性胸膜炎を併発して多発性の骨転移も認めたため、現在は原疾患に対しては積極的な治療をせず、疼痛の緩和を主体とした治療を行っている。
検査成績は、WBC 9,400、Hb 8.1g/dL、Plt 12万、血清アルブミン値2.6g/dL、血圧110/65mmHg、脈拍数88/分、尿量は1,600ml/日。
下肢に軽度の浮腫を認めたため、主治医はアルブミンの使用を検討し始めた。

<学習課題1>

アルブミン製剤の適応を考え、輸血部門としてどのようにアドバイスしたら良いか?
  • ① 栄養補給のため、20%アルブミン100mLの使用を指示する。
  • ② アルブミンは使わないで、赤血球液で貧血の改善するよう指示する。
  • ③ アルブミンを使用する必要はない。
  • ④ 血清アルブミン値3.0g/dLを維持するよう定期的なアルブミンの使用を指示する。
    • 解答と解説を見る

      <学習課題1>

      アルブミン製剤の適応を考え、輸血部門としてどのようにアドバイスしたら良いか?
      • ① 栄養補給のため、20%アルブミン100mLの使用を指示する。
      • ② アルブミンは使わないで、赤血球液で貧血の改善するよう指示する。
      • ③ アルブミンを使用する必要はない。
      • ④ 血清アルブミン値3.0g/dLを維持するよう定期的なアルブミンの使用を指示する。
      <解答と解説>

      解答③

      ① 投与されたアルブミンは緩徐に代謝され、そのほとんどは熱源として消費される。またアルブミンがアミノ酸に分解され蛋白合成に利用されるのはごく わずかとされる。さらに必須アミノ酸が乏しいことなどから、栄養補給の意義はほとんどない。栄養補給が必要な場合は、中心静脈栄養や経腸栄養を考 慮すべきである。
      ② 緩和ケア主体の末期患者であり、輸血による一時的な貧血の改善の意義は乏しい。
      ③ 血清アルブミン値2.6g/dLでバイタルも安定しており、低アルブミンの症状が下肢の軽度の浮腫のみであればアルブミンは必要ないと思われる。
      ④ 単なる血清アルブミン濃度の維持のためにアルブミンを使用するのは、不適切である。